「子どもが全日制の高校になじめそうにない」「今の高校生活が辛そうで、転校を考えているけれど不安……」
お子様の進路や転校について悩む保護者の方にとって、「通信制高校」という選択肢は少しハードルが高く感じられるかもしれません。「ひとりで勉強を続けられるの?」「卒業したらどうなるの?」と不安が尽きないのは当然のことです。
しかし今、通信制高校を取り巻く環境は一昔前と比べて大きく変化しています。
この連載では、通信制高校の「基本の仕組み」から「学費」「進路」にいたるまで、保護者が本当に知りたい実情を回に分けて分かりやすく解説します。
第1回目となる今回は、データで見る通信制高校の「今」と、全日制とは何が違うのかという「基本の仕組み」についてお届けします。
「通信制高校に通うのは、全体のごく一部の生徒だけ」と思っていませんか?実はその認識は、現代の実情とは少し異なります。
文部科学省の最新の学校基本調査によると、全国の通信制高校の生徒数は右肩上がりに増加しており、現在は30万人を突破(過去最多)しています。
これは、日本の高校生の「約11人に1人(およそ9%)」が通信制高校に在籍している計算になります。もはや通信制高校は、決してマイナーな選択肢ではなく、全日制・定時制と並ぶ「一般的な進路のひとつ」として定着しているのです。
かつては「働きながら通う場所」というイメージが強かった通信制ですが、現在の主流は大きく変わっています。
このように、「消極的な理由」だけでなく、「自分らしい高校生活を送るため」に前向きに通信制を選ぶ生徒や保護者が急増しています。
では、全日制高校と通信制高校では、具体的に何が違うのでしょうか。保護者の方が押さえておくべき最大のポイントは「単位制」という仕組みです。
全日制高校の多くは「学年制」をとっています。出席日数が足りなかったり、成績が基準に満たなかったりすると、もう一度同じ学年をやり直す(留年)ことになります。
一方、通信制高校のほとんどは「単位制」です。学年という壁がなく、卒業に必要な単位を3年間(またはそれ以上)かけて積み上げていく仕組みです。そのため、「今月は体調を崩して学校に行けなかったから、即留年」ということはありません。自分のペースを取り戻しながら、焦らずに卒業を目指せます。
通信制高校を卒業して「高校卒業資格」を得るためには、以下の3つの条件をすべてクリアする必要があります。これは公立・私立、どの通信制高校でも共通のルールです。
一見難しそうに見えますが、多くの学校では担任の先生やサポートスタッフが「今月はここまでレポートを進めようね」と計画を一緒に立てて伴走してくれます。
※長尾谷の場合:
生徒一人ひとりに担任がつき、レポートの提出管理から日々のメンタルケア、通学のサポートまで丁寧に行っています。個々のペースに完全に合わせられるため、無理なく卒業を目指せる環境です。
ひと昔前の「家で一人でもくもくと教科書を開く」というイメージとは異なり、現代の通信制高校は、週1日〜5日まで登校日数を柔軟に選べたり、キャンパスで友達や先生と温かい関係を築けたりする「通学型」のスタイルが私立を中心に主流となっています。
お子様がこれまでの環境で傷ついたり、悩んだりしていても、通信制高校なら「その子のペース」に合わせた新しいスタートが切れる仕組みが整っています。
まずは「そういう選択肢もあるんだな」と、肩の力を抜いて受け止めていただければ幸いです。